材料試験



シャルピー衝撃試験:写真左

機械部品には、急激な荷重が加わる場合があります。このような荷重を衝撃荷重といい、もろい金属材料では破壊を起こします。粘り強い材料とは、永久ひずみを生じても破壊するまでに大きなエネルギーを吸収できる材料をいいます。

材料の破壊に対する抵抗力の大きさを粘り強さといい、粘り強さは、衝撃試験によって調べることができます。

衝撃試験は次の写真のような振り子のハンマーで試験片を破断し、破断に要したエネルギーからその材料の衝撃値を求めます。粘り強さは、求めた衝撃値の数値によって表します。衝撃値の大きいものほど粘り強さが大きいといいます。

一般に、衝撃値の大きい金属材料は、引張り強さや伸びも大きく、じん性があるといわれます。したがって、じん性のある金属材料は板や棒などに加工されやすいのです。

      

 

かたさ試験:写真右

金属材料では、かたさは強さとともに重要な性質の一つです。一般にかたい材料は強くて伸びや絞りが小さく、もろさを伴うという関係があるので、かたさによっておよその機械的性質を知ることができます。

また、かたさは耐摩耗性にも関係があるので、多くの機械部品では、かたさが重要視されます。

かたさの程度を表すにはいろいろあり、次のような試験方法があります。

①ブリネルかたさ試験(HBS、HBW)

  試験片に圧子(鋼球 HBS)を押し込み、できたくぼみの大きさでかたさを調べます。素材の試験に適します。

②ビッカースかたさ試験(HV)

  先端が四角すいのダイヤモンドを圧子として試験片に押し込みます。このときのくぼみの対角線の長さでかたさを調べま   す。小物部品、薄板、表面層の試験に適します。

③ロックウェルかたさ試験(HRC、HRB)

  ブリネルかたさ試験やビッカースかたさ試験とは違い、くぼみの深さによってかたさを調べます。圧子はHRBは鋼球で、HRCは頂角120度のダイヤモンド円錐です。素材の試験に適します。

④ショアかたさ試験(HS)

  おもり(先端がダイヤモンド)を一定の高さから落とし、その反発高さでかたさを調べます。各種製品の試験に適します。